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RADIO|2025.12.5
『tone village channnel』は“それぞれのらしさ溢れる日常を”をコンセプトにしている長野市の複合施設「tone village」からお届けするラジオ番組です。
カフェ、ドッグサロン、ネイルサロン、スクール、そしてデザイン会社アプリコットデザイン 。それぞれのアイデアが交差し、この場所で生まれる日々の出来事や、コンテンツの裏側をゆるっと語ります。
tone magazineでは、『tone village channnel』の内容を編集して文章のかたちでお届け。「読むラジオ」として、tone villageの世界をお楽しみください。
なかむら いや〜くうちゃん、秋ですね〜。
くう 秋ですね〜!
なかむら 秋ということで、くうちゃんは何の秋ですか?
くう 食欲の秋ですかね!
なかむら 食欲ですか。いいですね〜
くう 秋は一番お腹がすくような気がします。
なかむら 秋お腹すくよね、わかる!
くう 秋の食べ物っておいしいじゃないですか。芋とかほくほくしたものが多いし、「食欲の秋」って言葉があるのも分かりますね。
なかむら そうだね。さて、今日はどういう話をしましょうか?
くう 弊社代表の中村さんがデザイナーもバリバリやってるということで、疑問に思う人もいるんじゃないでしょうか? そもそも中村さんがどうしてデザインの業界に入ったのか、気になりますよね?というわけで、中村さんがデザイナーになったきっかけについてお聞きできたらと思います!
なかむら 実は私、デザイン業界に昔から入りたかったわけじゃないんですよ。そもそも絵描くのもすごく下手ですし。
くう ちょっと描いてみてもらいたいですねそれは(笑)
なかむら イラストも描けないしデザインに興味があったわけじゃなかったから、専門学校とかはデザイン系のところに行っていないし、デザイン業界に入ったのも20代の後半なんです。
もともと家が商売人の家系で、ひいおじいちゃん、おじいちゃんもお店をやってたらしいんだよね。だからきっと僕にも商売人の血が流れていて・・・お店を始めたんです。そのときペットブームだったので、わんちゃんの洋服一着1万円とかを売ってたんですよ。それで、けっこう売れてたんですよ。
23歳のときにお店を始めて、そこから4年くらいお店をやったので、それまではデザイン業に入っていくなんてことはまったく考えてなかったんです。そこからどうしてデザイン業界に入ったかというと、全部を一人でやってて、お金がなかったからなのよ。
ホームページとか、印刷物とかを誰かに頼むことはできないから、全部自分でやらなきゃいけなくて、自分で作ってみたんです。
それから、お店だけだと売り上げが立たないからオンラインショップ(ECサイト)を立ち上げることにしたの。だから、生きるためにデザインが必要だったんです。デザインがないと売れなかったので。どうしても必要だったから、デザインを勉強していったんです。
くう なるほど・・・やりたかったというよりは、生きるために必要だったから、と。
なかむら そうなんだよ。それに、ECサイトって写真が重要なので、写真をめっちゃ撮った。売れてるようなショップを見て、こういう写真を撮れば売れるんだっていうのを真似て、自分で撮ってみて・・・それで売り上げが上がったので自己肯定感が上がって、また撮ってってその繰り返しで、自分がやったことに対して数字ですぐ出てくるので、それがモチベーションになって、ひたすらやっていたっていう時代があったんですよ。
その後はお店を譲渡することになって、次は何をやろうかなって考えたときにデザインを使って昔の自分みたいに困ってる人を助けてあげたいなって思って、そこからデザイン会社に入って修行をしました!修行といっても、みんな忙しいので教えてもらえるわけじゃなくて、結局独学だったんだけど(笑)
くう 背中で覚えろみたいなね(笑)
なかむら そうそう。それで、しばらくして今のアプリコットデザインっていう会社を立ち上げたっていう感じなんです。
だから、もともとデザインをやりたかったわけでもないし、デザインっていうのは自分の中で売るための手段、生きるための手段でもあるし・・・だけどそれ以上にすごく魅力的で面白いなと思っているので、自分の中ではすごくフィットしたお仕事だなと思いながら今もやってますね。今も変わらず飽きずにやってるっていうのはほんとすごいと思っています。
くう 中村さんってめっちゃデザイン好きじゃないですか。それは、なんでですか?
なかむら それは、自分の原体験があるんですよ。いろんなところに行って、デザインが整っていたりとか素晴らしいデザインを掲げているお店とかを見るとすごくテンションが上がるっていうのがあります。
くう それは、デザインを始める前からの話ですか?
なかむら そうそう。なんで好きなのかなって考えると、綺麗なデザインとか売れるデザインを使っているお店は繁盛していて、こういうデザインに人が集まってくるんだっていうのを、自分自身も体験してるからなんだと思う。そのお店に行ってるわけだからね。
だから、デザインってすごいな〜って思って。見た目のデザインももちろんそうなんだけど、それ以上に人の心を動かして、行動させてものを買わせるみたいな、デザインの力ってほんとにすごいなって考えていると、探究心が絶えないんですよ。ずっとその繰り返しみたいな感じ。
くう ペット用品のセレクトショップをしていたときに売れるためにデザインをしないといけない!という発想に至った理由が知りたいです。デザインをちゃんとやらなくても売れる可能性はあると思うんですけど、未経験のデザインを勉強して売ろうとするって、遠回りなのかなって感じがして・・・そこでデザインをやろうと思ったのってなんでかなって。
なかむら 自分の中では遠回りだとは決して思っていなくて、むしろ近道だと思っていたんだよね。だって見た目を変えるだけで売り上げが倍になったら嬉しくないですか?
くう 勉強したら時間かかるかもしれないな〜よりも、やってみよう見た目を変えてみようみたいな?
なかむら というよりは、環境が大きいかな。生きるためにやるしかない!っていう状況だったのもあるし、デザインについて自分が学んだことをすぐに生かせて、それがすぐに反響として返ってくるっていう環境に身を置けたから、成長スピードが早かったんだと思う。
くう 環境?
なかむら たとえばデザイナーにこれからなりたいって思ってる人が、いくら本とか見て学んだとしても、実践できないと前に進んでるかどうかを確認できないじゃない。自分自身が成長してるか分からないから、それでモチベーションが下がったりとかするわけじゃない。
それが僕の場合、学んで、実践、反響、嬉しい・・・の繰り返しができたことがすごくよかったと思うので、逆に言えばそういう環境に身を置けば、成長スピードが早くなるんだなあっていうことも感じたわけですよ。
つまりは、自分自身の身を置く環境で、成長のスピードって変わってくるよねっていう話です。
くう なるほど!
なかむら それから、僕は基本飽き性なんですよ。飽き性なのにこんなに長い間お仕事を続けられるってすごいことだと思っていて、ある意味天職に出会えたのかなっていうところはあります。これまでデザイン業界に入る前にも色々と自分の中に選択肢があって、たとえばトリマーになりたいなと思ったときもあるし、動物病院の先生になりたいと思ったときもあったし・・・
くう めっちゃ動物ですね(笑)。
なかむら 確かに動物だね、そうだね(笑)。
いろんな選択肢がある中で、気づいたら今のデザインのお仕事をしていて、必ずしも自分のやりたいことと合ってる仕事って一致しないのかもなって思いますね。
だから、幼少期の頃からデザイナーになりたいって思ってたら、また違う人生を送ってたんじゃないかなと思うんだ。やりたいって思ってたことと自分に合ってる仕事ってちょっとずれがある場合もあるなっていうね。
それって多分食わず嫌い的なところもあると思うんですよ。自分はこの仕事をやりたいんだけど本当は別に向いてる仕事があって、そっちは食わず嫌いだから手をつけないみたいな。だからその仕事に一生辿りつけないみたいなこともあると思うんですよ。
それってすごくもったいないなと思っていて・・・世の中には本当に数多くの職業があって、その中で出会えるお仕事の数って知れてるじゃないですか。だから、とりあえず若い頃はいろんなお仕事に触れてみたり経験してみたりすることで、自分がやりたいって思ってた仕事じゃないところに何か向いてる仕事がある可能性があったりするので、若いうちはどんどんチャレンジしてほしいなって思います。・・・なんか、おじさんの発言ですな(笑)。
くう でも・・・勉強になると思います・・・(笑)。
説得力がありますよね。いろいろ経験してきた結果、デザインにたどり着いたっていうのが。デザイナーって、華があると華があるというか、憧れられる職業なんじゃないかなと思ってて、憧れから入るのも悪いことじゃないと思うんですけど、憧れててデザインの仕事に就く人もたくさんいると思うので、そうじゃないルートでここにたどり着いた人の話って新鮮だなあと思いました!
なかむら 20代のうちにいろいろ経験してこれっていうのを見つけてもらって、30代はそれを伸ばしていく時期で、40代はそれを今度教えていく立場になってくと思うのでそんな感じでライフプランとか考えながら人生を謳歌してほしいなって思います。
今日のtone village channelはいかがでしたか?tone villageでは、日々いろんな“らしさ”が集まって、新しいアイデアやちょっとした発見が生まれています。次回も、そんな日常のひとコマや、コンテンツの裏話をお届けしますので、ぜひお楽しみに。
それではまた、tone village channelでお会いしましょう!
語り手:なかむら・くう
書き手:くう
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