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MAGAZINE|2024.6.18

ブランディング事例紹介|株式会社ベクトル総研

tone villageを運営するアプリコットデザインでは、ブランディングのご支援をしながらクライアントさまが抱える課題を解決するためのホームページ制作を行っています。

今回はクライアントさまとともに、一連のブランディングプロジェクトを振り返っていきます。

株式会社ベクトル総研様は人やモノ、情報の流動(平常時や災害時の安全性と効率性)に関する解析・システム開発・コンサルティング・調査などの事業を行っており、特に人や車のシミュレーション開発・解析による流動課題解決のコンサルティングを得意としています。
この度、弊社ではコーポレートサイトのリニューアル、ロゴ、各種販促物などの制作を支援させていただきました。インタビューでは、ご依頼当時に抱えておられた課題や、2023年12月のホームページ公開から約3か月が経過した現在の状況についてお伺いいたしました。
(※インタビュー記事の内容は、2024年3月に実施したものです。)

▼「株式会社ベクトル総研」のホームページはこちらから
https://vri.co.jp/

今回お話を伺った株式会社ベクトル総研のみなさま

今回は、代表取締役の末松社長(写真右)、人や車のシミュレーション解析および関連するコンサルティングを行う疋田さん(写真左)にお話を伺いました。

誰に対してのホームページなのかを改めて考えた時に

―弊社にご相談いただく前に御社が抱えていた課題やお悩みについてお教えください。

末松社長:
“誰が見るためのホームページなのか”を考えた際に、以前のホームページは弊社の事業に関心のあるお客さんに対して技術の紹介を全面に出した構成だったことが課題でした。
“ベクトル総研の技術力を紹介する”という役割は果たしていましたが、当時抱えていた”一緒に働く仲間を増やしたい”という課題に対して、旧ホームページはまったく機能していませんでした。会社として人材を大事にしているけれど、ホームページに人の気配はなく、技術の紹介に寄りすぎていたんです。

疋田さん:
会社の写真は載っていましたが、とにかく人間味は無かったです。
会社概要で会社紹介はされていたけれど、ベクトル総研はどういう会社でどんなことを考えていて、どんな雰囲気なのか、というような内面的な部分は伝えられていませんでした。
末松社長は人間味や会社らしさを伝えることを重要視されていたので、3年ほど前からホームページをリニューアルしたいという話は出ていましたね。

―主に採用に対して課題があったということですね。その他にも改善したいと感じていたことはありますか?

末松社長:
「こういうことをやっている会社だから一緒にやりませんか?」の”こういうこと”を専門の方以外にも理解してもらえるようなホームページにしたいと思っていました。
例えば、求職活動をしている方の親御さんが見てもベクトル総研がやっている事業を理解してもらえるように、もっと事業内容を嚙み砕いて説明する必要がありました。

疋田さん:
リニューアル前のサイトは2016年頃、取り急ぎ作らなければならないという状況下で開設したので、以前の制作会社ともそこまで入念なやりとりはなく、提示した予算の中でできることをやってもらうというかたちで制作したものでした。
そこから数年の間に事業の取り組み方も変化し、その取り組みを社外へきちんと伝えるため、情報発信についてもアップデートしていきたいと感じていました。
そして、これらの様々な課題を解決するために、2023年の春頃にホームページのリニューアルをしましょうと社内で合意がとれたので、お願いする企業さんの選定と要件定義の整理がはじまりました。

制作会社を選定する唯一の条件が担当者だった

―アプリコットデザイン(以下、アプリコット)のことを知っていただいたきっかけや、選んでいただいた決め手をお教えください。

疋田さん:
最初は5社ほど候補に出し、その中から3社と具体的な打ち合わせをさせていただきました。
初回打ち合わせ時、アプリコットさん以外の2社は標準的な会社説明資料に基づいた一般的なプランや金額の説明だったと記憶しています。
その中で、アプリコットデザインのディレクター山田さんだけは、初回から弊社で用意した要件定義や素案に基づいた具体的な話をしてくれました。そこが他2社との違いであり、特徴だったと思います。
このプロジェクトは弊社代表が直接関わっているものだったため、即決できる内容の提示をしてくれたほうがスムーズで弊社としてもやりやすく、その点についても良かったです。

末松社長:
せっかく一緒に仕事をするなら、会話のキャッチボールができる方と仕事をしたいと感じていましたし、対話を通して意見も引き出してほしかった。山田さんは初回の面談時からキャラクターが立っていましたね。

疋田さん:
山田さんは初回から弊社の雰囲気を感じ取ってくれていました。
制作会社を選定するにあたり最も重要視したのは、制作会社の担当者です。どういう担当者で、どういうことを我々から引き出してくれて、そして相談しやすい相手であるかということです。決定要因となったのは弊社の担当者と末松社長が一番相談しやすい相手は誰かということ。即決でアプリコットデザインさんにお願いすることにしました。

末松社長:
アプリコットさんというよりも、山田さんだったから決めました。

当たり前になっている理念や経営に対する考えを改めて対外的な言葉として生み出す

―ウェブサイトを制作する過程で印象に残っていることがあればお教えください。

末松社長:
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー※)を策定する作業が印象的でした。
僕としては当たり前に考えていた理念や経営、企業の存在価値というのを改めて、対外的な言葉として自分の頭を整理するいいきっかけになりました。

(※MVV…「Mission(ミッション)=企業が果たすべき使命」「Vision(ビジョン)=企業のなりたい姿」「Value(バリュー)=企業の価値観・行動指針」の頭文字をとったもので企業の経営方針となるもの。)

疋田さん:
企業理念は元々存在していたけれど、理念の下にくる言葉が明確に定義されていなかったんですね。
キーワードとして、”データサイエンティスト”、”都市環境”、”シミュレーション”など、そういう言葉や事業に対する考えはふわっとあるけれど、具体的な言葉になっているかと聞かれると若干曖昧ではあった。
策定する初期の段階では、単純にキーワードをMVVに当てはめた形に近かったので、なんとなく末松社長が思っていることが表現できていなかったように思います。
最終的に末松社長に書き出してもらった言葉をみんなで話し合いながら当てはめたことで、我々がもっとも伝えたいことを言語化できましたし、この取り組みを社内で行えたことも良かったです。

末松社長:
自分たちが考えていることだけでなく、社外目線の言葉選びもできて、最終的にはアプリコットさんに調整していただいて納得のMVVやキャッチコピーが出来上がりました。

自社が求める人物像とマッチした人材からの応募

―Webサイトをリニューアルして効果を感じたことがあればお教えください。

末松社長:
2024年4月に1人入社することが決まりました。弊社は技術系の人が見るような採用マッチングサイトに登録しており、弊社への応募の約半数がそのサイト経由です。今回もそのサイトを経由しての応募でした。
とはいえ、マッチングサイトで弊社を見つけてもらった先の、判断材料となる情報源はあくまでもホームページ。会社の歴史や実績、働いている社員を見せることが応募に繋がるひとつのきっかけにはなったと思います。その方の応募がある直前にタイミング良く公開できてよかったです。

―その方は御社が求める人物像にも近いですか?

末松社長:
まずは弊社の事業に関わる専門分野の知識を持った方でした。そして、初めての外国人採用ということで、今後お互いに刺激しあえる関係性をつくっていけるといいなと思います。

自社の事業を的確にわかりやすく説明するための言葉とデザイン

―今回制作したWEBサイトのお気に入りポイントをお教えください。

末松社長:
今回のホームページリニューアルの一番の変化は、スタッフの写真が多く載っていることです。以前はスタッフを載せていなかったのですが、人間味を出すことの優先順位も高かったので。写真も1日がかりで撮影しました。

疋田さん:
制作物の方向性を固める際に、ディレクターの山田さんからも弊社のイメージとして、「当初は技術系の企業ということで理系の少し堅いスタッフの方が多いのかなと思っていたけれど、実際はフランクでコミュニケーションが社内で飛び交っていると感じた」などと意見をいただき、ミーティングの様子などベクトル総研の日常を切り取った写真などを用いたデザインになりました。
実際の業務でも人間の思考や考え方などを用いたモデルやシミュレーションをしているので、全体的に人に対する考え方は出していきたいポイントでした。

―スタッフの皆さまの写真とイラストが印象的なサイトですね。

末松社長:
ファーストビューの動くアニメーションも打ち合わせ当初は予定に無かったのですが、急遽作ってもらいました。

疋田さん:
キャッチコピーの”人とモノの流れの課題を”という言葉に対して、「サイトに動きがないよね」という話が出たので、このイラストの部分に動的なアクションを実装できるか相談したところご対応いただけるということで色々と工面していただきました。
自社の業務対象を端的に表現できており、ホームページのユーザーに対して事業を直感的に伝えられる有用な素材になったと感じています。

末松社長:
イラストもさることながら、”人とモノの流れの課題をデータとモデル化で解決します。”という言葉も一から作り上げました。結果的にこの会社を的確に一文で表現できる言葉を見つけることができたというのも本当に今回の成果の一つですね。

疋田さん:
企業理念に”課題”や”解決します”といったコンサルティング的なニュアンスの言葉を使っていなかったのですが、お客様へ伝える言葉としては、分かりやすい言葉に少しアレンジしたほうがいいと思っていたので、キャッチコピーの考案もお願いしていました。
今後、名刺など様々なところで活躍する言葉になると思います。

自分たちでも自社のサービスを社外にもっとわかりやすく発信していく

―最後に、今後ホームページをどのように活用していきたいかをお教えください。

疋田さん:
私はホームページに対して”中間窓口”という印象をもっています。
採用の件も、応募者が最初に見るのはエンジニアのマッチングサイト。マッチングサイトで弊社を知り、ホームページに来るという流れの中でホームページは中間窓口なので、今後はその前後を強化していきたいです。
弊社は小さい会社なので、「ホームページを見てベクトル総研を知り問い合わせをしました。」というよりは、他の媒体でベクトル総研を知ってもらい、相談する価値があるかどうかの見極めをホームページでする。そして、「それなりに実績もあるから相談する価値がある」と判断していただいてやっと問い合わせに繋がる。
問い合わせ後、私たちとしてはお仕事や他社との連携に繋げるために、提案等を強化しなければ成果には繋がらないので、中間窓口の前後をさらに強化していく必要性を感じています。

末松社長:
ホームページが採用強化のために十分な機能を果たしていることを確認できたら、次は業務として異業種との連携を広げていきたいです。そのために、自社のサービスを社外にもっとわかりやすく発信する取り組みを強化していきたいと思っています。発信した情報がきっかけとなり、弊社に対する可能性を社外の方にもっと感じてもらえるよう努めていきます。

(2024年3月に実施したインタビューの内容です。)

▼「株式会社ベクトル総研」のホームページはこちらから
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