こんにちは、中村です。
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あなたの良いところはどこですか。そう聞かれると、たいていの人は少し困ります。しばらく考えて出てくるのは、まじめです、とか、人の話を聞くのが得意です、とか。
間違ってはいません。ただ、言った本人も、どこか借りてきた言葉のように感じていたりします。
頭の中を探しても出てこない
自分の良さを言葉にしようとすると、目を閉じて頭の中を探しがちです。僕も仕事で何度もやってきましたが、あの時間で言葉が出てきたことは、ほとんどありません。
探す先を、頭の中から、もう過ぎた日のほうへ移してみる。考えるというより、思い出すことに近いんだと思います。
ありがとうと言われた場面
お店や会社の方と話すとき、僕が最初に聞くのは、最近ありがとうと言われたのはいつのどんな場面でしたか、という質問です。
お礼を言われた場面には、いろいろなものが一緒に入っています。相手が何に困っていたか。自分がそれをどうほどいたか。そのとき、相手がどんな顔をしていたか。
「良いところ」という言葉には、そのどれも入っていません。
これは、仕事でなくても同じだと思います。家族に、友だちに、近所の人に。最後にありがとうと言われたのは、どんなときだったか。
「丁寧」をもう一歩だけ
思い出した場面に、なぜ、を足してみると、もう少し先まで行けます。
たとえば、丁寧だね、と言われたことがあるとします。その丁寧は、いつ、何をしていたことだったのか。約束の前の日に、一度だけ連絡を入れていた。借りたものを返すときに、ひとこと添えていた。そこまで出てくると、丁寧という言葉は、もう要らなくなります。
やさしい、安心する、親身。こういう言葉が出てきたら、一回止まってみる。どれもすてきな言葉ですが、それだけでは、あなたが何をしたのかがまだ見えないので。
自分のことは自分では見えにくい
ただ、この作業はひとりだと、なかなか進みません。自分に向けてなぜと聞いても、二つめで止まってしまう。だってそういうものだし、で終わるんです。毎日のことほど、自分では気づけないからです。
だから、誰かに聞いてもらうのがいいと思います。同じ仕事をしていない人のほうが、たぶんいい。こちらが気にもしていないところで、え、それはどうして、と首をかしげてくれます。
聞いてくれる人がいないときは、声に出してみる。僕は毎日ラジオで話していて、話し終えてから、ああ自分はこう思っていたのか、と気づくことがあります。
覚えている場面の数
自分のことをうまく話せる人は、語彙の多い人だと思われがちです。僕は、覚えている場面の多い人のほうだと思っています。
寝る前にでも、先月のことをひとつ思い出してみてください。誰かにお礼を言われたのは、どんなときだったか。あなたの言葉のもとは、たぶんそのあたりにあります。



