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CORON FARM|2023.10.30

coron farm design |永井農場さんが語る、循環型農業への想い【お客さま紹介】

『農業の魅力を伝え、食が育む豊かな暮らしを支える。』
そんな想いから出発したアプリコットデザインのcoron farm design プロジェクト。

そんなぼくたちが、長野県東御(とうみ)市にある永井農場さんのホームページをリニューアルをさせていただいてから1年が経とうとしています。
30年以上も前から循環型農業に取り組む永井農場さんが、リニューアル当時に抱えていたWEB集客の課題を振り返りながら、農業への想いを語ります。

きっかけはECサイトの再構築

アプリコットデザインさんにお声がけしたのは昨年の夏。自社で運営していたECサイトのシステム変更にともない、ECサイトの再構築を迫られていたのがきっかけでした。

月山さん(アプリコットデザイン)に相談したところ、ユーザーにとってより使いやすく、農場の魅力や世界観をお客さまに伝える方法として、永井農場の本サイトにEC機能を取り入れたリニューアルプランを提案していただきました。

リニューアルをしてからはECの売上が多少良くなったという感じはありますし、何より農場の世界観が伝わるホームページになったことに満足しています。せっかくの本サイトのリニューアルであれば、お客さまや新規雇用者に対して、私たちがどんな想いで、どんな環境で、どういう人たちが農業をしているのかもっと伝えたい気持ちがありました。それをしっかりと汲み取ってヴィジュアルに落とし込んでいただいたなって。これからはそんなホームページのベースに、僕たちの手で情報を丁寧に積み重ねていければと思っています。

▼永井農場さんのホームページ
https://nagaifarm.co.jp

アプリコットデザインを選んだ理由

WEBデザインが得意なことは知っていましたし、過去にも永井農場のデザインの仕事をいくつかしていただいていたので相談がしやすかったです。何より、永井農場を応援してくれる気持ちがすごく伝わってくるんですよ。月山さんが農業に詳しいだけあって、生産者の立場に立ってうまくディレクションしていただけたのかなと思います。デザイン面は『今までのサイトよりシンプルで見やすくなったね』と多方面から良い評価をいただいています。期待にしっかり応えてもらえました。

中山間地で輝く循環型農業という強み

永井農場の強みとして循環型農業への取り組みがあります。

昔の日本って、そこにある資源を上手に循環させて農業をやってきたんです。育てた稲わらを飼っている牛の餌にして、牛から出たフンで堆肥を作り、それを田畑に戻していく。それをこの東御市で脈々とやってきたのが永井農場です。規模は大きくなっているし、機械化されているところもあるけれど、農業の中で生まれたものを無駄なく循環させたいという根本のところは同じ。今でこそSDGsや脱炭素がもてはやされているけれど、日本ではもともとそれができていたわけで。

この辺りは中山間地で、効率の良い農業ができる地帯ではないからこそ複合経営をしながらその中で循環をさせるっていう工夫をしてきました。昨今肥料や燃料が高騰している中で、うちはたまたま循環型農業を続けているので、その強みを改めて感じています。今はそれが最大限生かせるときに来てるのかなって思います。

今まで国は農地の「規模を大きくすること」を前面に押し出して支援してきたけど、今になってみれば中山間地でそこにある資源を組み合わせながら農業を営むことがリスクヘッジになっているというか、言ってみれば本来の日本の農業らしさって言えるんじゃないかなと思います。それは一企業としての取り組みに限らず、地域の農業者同士が手を取り合って取り組む循環型農業でも良いと思うんです。

ちなみに、燃料費や資材費の高騰で生産コストは当然上がっていますが、お米の価格帯は30年前からほとんど変えていません。それは僕たちのやっていることが何も変わらないから。そんな風にして、価格競争に巻き込まれない永井農場というブランドを育て続けようと思っています。

それを実践している農場だよっていうのを知ってもらえたらウレシイです。共感してくれたり、応援してくれたりする人とつながって、一緒に何かやりたいですね。まずはWEBをしっかりと活用して発信していくこと。その土台となったのが今回のホームページリニューアルでした。

生産だけにとどまらない、販売分野にかける想い

永井農場は東御市で代々農家をしていて、祖父の代から生産だけではなくて農産物の加工・販売も行っています。僕自身、農家として自分の足で立ちたいという想いがあったので、加工や販売にも力を注いできました。格好良い言い方をすると、『強い農業者』を目指していたんです。

原料販売って価格のジャッジを自分でできない。だから玄米を白米に加工し、白米をお餅にし、お餅をおかきにする。そうやって自分で利益を取れるようにしました。補助金がないと農家なんてできないよね、みたいな風潮が嫌で、自分で作ったものは自分の値段で買っていただける世界を作っていきたくて。そのために始めたのが餅加工でした。それで近くの人たちに買っていただいて、声が聞こえて、ああ良かったな、またやろうみたいな。その繰り返しです。

乳製品の加工も行っています。うちでつくっている飲むヨーグルトやカフェのソフトクリームは、『味が濃い』と好評です。どちらも生乳でそのまま発酵させているから、バター感というか、クリーム感があるんですよね。だから飲むヨーグルトはよく振らないと油の層とミルクの層が分離しちゃうんだけど、それがある意味うちの特徴とも言えるなって。そんな味へのこだわりが実現できることも、生産と農作物の加工を両立する醍醐味ですね。

ありがたいことに、うちの製品はリピート率が高いと思います。大手さんのサイトから声がかかることや、コラボしませんか?って問い合わせもあるけど、やっぱりリピーターさんを大事にしたいからやっていません。

リピーターさんの中には30年お付き合いのある方もいます。うちは30年近く前に通販をスタートしましたが、当時のお客様の息子の代になっても永井農場のお米を買ってくださるご家族がいて、親戚付き合いみたいな関係性ができています(笑)アナログな方法だけど、定期的に広報紙を送ったり、年一回ぐらいの冊子を作ってきていて、それがお客様と永井農場をつなぐツールになっていたんだと思います。今もこうしてついてきてくれるファンのみなさんには、すごく感謝しています。

昨年には東京の高級寿司店から声がかかり、農場の低温倉庫で熟成したお米を取り扱ってもらえるようにもなりました。それぞれの用途に合う精米の仕方やブレンドを、長年の腕で調整してお届けしています。

フードロスが出ない仕組みを

永井農場は農協や市場出荷はしていませんので、規格外商品で頭を抱えることはありません。廃棄もほぼゼロ。農場でとれた米、野菜、果物、乳製品は必要な分を生産・製品化して、あとは自社運営のカフェで食材として活用します。色や形も大事だけれど、もっと大事なのは作物本来の味を届けること。有機堆肥でじっくりと育てた作物は、ありがたいことに多くの方に選んでいただけています。

永井農場さんの循環型農業への取り組みは次のステップとして「エネルギーの循環」にも着目しているそう。そんな循環型農業を進めながらも、地域の担い手不足は深刻化しています。「地域の農家さんに支えられながら今があります。今度は自分たちが、新しく農業を始めたい人たちを応援したり、地域の農業をサポートしたい。」と語る永井さんは、
夏空より高く、農業の未来を見据えていました。


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▼永井農場さんのホームページ
https://nagaifarm.co.jp

▼HARVEST NAGAI FARM(東御店)
〒389-0505 長野県東御市和8406−2


▼HARVEST NAGAI FARM(軽井沢店)
〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町長倉星野 ハルニレテラス


▼ホームページ制作をお手伝いさせていただきました
永井農場さんのホームページ制作実績

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