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TONE JOB|2023.11.9

TONE JOB|vol.6 田中 有希さん(ウェディングプランナー)≪後編≫

本記事ではウェディングプランナーの田中有希さんにお話を聞いています。
田中さんは“これなら挙げてもいいと思える結婚式”をコンセプトとして、長野県松本市を拠点に結婚式のプランニングをするTOMORROW WEDDINGに所属されています。

前編では、ウェディングプランナーという職種に出会うまでの経緯やTOMORROW WEDDINGでのお仕事についてをお話しいただきました。つづく後編では、結婚式の魅力やこれからのことについてお話していただいています。

>前編の記事はこちらから

2人の人生の糧になる結婚式

ブライダルは無形でありながら高額ですよね。
式当日の体験がすべてでそこに至るまではカタチがないですし、当日も写真や動画などのデータで残せているものは手元に残るけれど、あくまでしているのは体験であり、すべてカタチに残せるわけではないんですよね。

だから、結婚式は家や車のような“購入したら暮らしと一緒にあるもの”ではないんですが、担当させていただいた複数のお客様のお声から“結婚式が2人の人生の糧になっている”と感じることがあって。

「夫婦や家族のことで日々いろいろあるんだけど、結婚式を通して感じたことがそこにあるから今まで乗り越えてこれた。」

「常々思い出すわけではないけれど、結婚式の日に家族に感謝する気持ちを持てたことや、親族との繋がりが心強かったこと。仲間や友人との絆を実感できたこと。みんなから祝福してもらえたことで幸せを感じることができた“あの日”が支えになっている」

「“あの日”を体験したからね。よくケンカもするけど、別れずにいるんだよ」

これまで、こういったお言葉をいただいたことがあって。2人にとって大事な人たちが一堂に会する事はすごく贅沢なひとときであると思うし、この人と結婚をするからみんな祝福してくれるみたいなことも実感としてあるのかなと思いました。

結婚式での時間が2人の共通の体験でもあるから、カタチとしては残らなくても“確かにあったあの日”が“人生の糧”としてそこに在り続けてくれている。そしてそういった場に、つくりあげる段階から立ち会えていることがとてもありがたく幸せですね。

結婚式を挙げないことも選択肢になる時代

今の時代、結婚式をやるかやらないかの2択になっている気がしています。
実際に結婚式はショーみたいだからやりたくないという声を特に男性から聞くこともありますし、ただこれは業界があらゆる媒体を通して結婚式に対するイメージをつくりあげすぎてしまったことにも起因していると感じています。

結婚式はやらなくても生きてはいける。日々の暮らしや将来のことの方が最優先だから、高額でどこか形式的な結婚式に価値や魅力を感じないのであれば、結婚式を挙げることの優先順位が下がってしまい、結果結婚式を挙げる人が減っていくのも当然だと思います。

一回盛り上がった業界ではあるけれど、本当に先のことを考えて結婚式という文化を繋ぐことを本気で今考えないと、挙げる方がいなくなってしまうのではないかと思うんですよね。

おふたりが価値や意味を感じられる結婚式を

だから、世間的な結婚式のイメージ以外の選択肢があることを今後は広めていきたいです。
たとえばそれが2人の節目という意味で“写真を1枚撮ること”が2人にとっての結婚式のカタチであるかもしれない。
今、和婚のノウハウを学ぶアカデミーに通っていて93歳の先生に教わっているのですが、印象に残っているお話があります。“戦時中は派手な結婚式が世間的にも出来なかったから、花嫁さんはモンペの下にきれいな着物を着て、2人で神社でお参りをすることが結婚式だった”と。戦時中という状況下でも、契りや節目を大事にしてきた文化が日本にはあるから、派手じゃなくてもできることっていっぱいあるんだと気づきました。

今の時代、実は選択肢が豊富で、結婚式はこうであるべきというイメージが薄れているからこそ、ある意味追い風だなって。
家柄的にこうしないといけないがあれば別ですが、今はご両親も2人が選んだことを尊重してくれる時代になりつつあるから、2人がこれならしっくりくるとか、これなら自分たちが価値や意味を感じられるというカタチを選べるような世の中になるよう、まずは知っていただくことから。そのために発信の仕方を考え続けたいです。

令和の時代に合う結婚式のカタチ

「令和の時代に合う形をあなた達が提案していくのよ」と先ほどお話にでた93歳の和婚の先生にも言っていただいているのですが、結婚式という場の礼節を把握した上であればアレンジもできるし、一線を超えないように崩すこともできるという意味がようやく分かってきたような気がしています。
結婚式のカタチが多様化しているとはいえど、そうはいってもお祝いの席ではあるから。なんでもアリにはならないように、2人の価値観をベースにお祝いの席ということを掛け算してプランを今後も提案していきたいと思っています。

日本には迎賓という主催者がゲストを迎え入れる文化があったり、お福分けというお祝いごとをみんなで分かち合う精神があったり、人生の通過儀礼として結婚式を行う文化があります。

日本人の精神性や文化など普遍的なものの価値や意味を示しつつ、令和の経済・社会事情を踏まえて“これならやってもいい”結婚式のカタチを模索することで、未来へ結婚式を繋いでいければと思っています。

– すべてのカップルに結婚式を –
TOMORROW WEDDING
ザ・ホスピタリティチーム株式会社
サロン/〒390-0852 長野県松本市島立860-1-202
WEB:https://tomorrowwedding.jp/

(インタビュー・記事:tone village メディア編集部 はち)

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