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LIFE|2023.11.24

スタッフの「じぶん時間」vol.7 〜かるぴの場合〜

朝起きて、出かける支度をして、予定をこなして、家に帰って・・・
毎日の繰り返しの中で、忘れてしまいがちな「自分自身と向き合う時間」。

このシリーズでは、tone villageに関わる人々の
「自分自身と向き合い、自分のために過ごせている時間」をご紹介いたします。

第7回は、アプリコットデザインディレクターのかるぴ。

本を読むのが好きだというかるぴに、読書を通して自分と向き合うプロセスについてお話ししていただきました。

苦手克服のために始めた読書

心を整えるため、平日は寝る前に30分〜1時間ほど必ず本を読むようにしています。休日は特に予定がなければ、昔ながらの喫茶店に一人で行き、カフェオレを飲みながら読書しています。カフェは一人だとなぜか緊張してしまって落ち着かないので、渋めの喫茶店にこもるのが好きなんです。毎週違う本を読むようにしているので、最低でも1週間に1冊は読んでいますね。

寝る前に本を読むようになったのは、社会人2年目くらいの頃のことです。それまではそんなに本を読んでこなかったのですが、当時働いていた会社ですごくお世話になった上司に「君は本を読んだ方が輝ける」というようなことを言っていただいたのがきっかけで本を読むようになりました。当時の同期がみんなすごく優秀で、どんな仕事でもそつなくこなす人ばかりの環境にいて。自分だけが言語を用いてアウトプットすることが苦手なのをすごく負い目に感じていたのを見て、そんなふうに声をかけてくださったんだと思います。

だからその当時は、心を休めるための読書というよりは、“仕事における自分の苦手をなくすための読書”という感じでした。

自己啓発本から物語へ

自分に自信がなかったこともあり、はじめの1年間くらいは自己肯定感を上げるような自己啓発本をよく読んでいました。読んでいるときは納得することも多いのですが、共感できない部分も多くて・・・共感できないからこそ、共感できるように自分でもう少し噛み砕いて考えてみようとすると、自分って何もできてないな、とか、ネガティブな気持ちに持っていかれてしまうんですよね。本の中ではポジティブなことを言われているはずなのに、自分ではネガティブに解釈してしまって、ドツボにはまるというか・・・だから、途中から読む本を小説やエッセイに切り替えました。

ストーリーのある本は記憶にも残るし、登場人物や筆者の体験を擬似体験できる感じがしていて。パン屋さんで働いたことはないけどパン屋さんで働いている気分になれたり、恋愛をしているときの感情を味わえたりとか。小説やエッセイはそういった擬似体験を通して、自分の感情や経験の幅が広がっていく感じがするんですよね。

心をリセットするために

私は常に仕事のことを考えてしまうタイプなのですが、本を読む時間はあえて強制的に仕事のことを考えないようにしています。心をリセットする時間が必要だと思い、1日の中で“仕事のことを一切考えない時間をつくるため”に読書をすることで気持ちを切り替えています。

私は日頃はたらく中で、一つひとつの言動について「もっとこう言っておけばよかった」と後で反省してしまうことが多くて。特に最近ではお客さまとのミーティングでファシリテーションをする機会が増えていて、うまく回せなかったなあとか、答えづらい言い回しをしてしまったなあとか、小さな反省が日々積もってしまうんですよね。

アプリコットデザインに入社してからあまり思わなくなったのですが、自分の人生について思いを馳せて「本当に今のままでいいのかな?」と考えてもやもやしていることもしばしばありました。だから、仕事のことを考えずにシャットダウンできる時間を求めていて、それが私にとっては“読書”だったんです。

人間の感情を生々しく描く作品が好き

これまで読んできた中で印象に残っているのは、人間の感情や何気ない描写を解像度高く表現する作家さんの小説です。たとえば朝井リョウさん。人間の心の中をこじ開けて覗いているような、クリアな表現が印象的です。自分がこれまでなあなあにしてごまかしてきたことを言葉に置き換えられているので、いい意味でも悪い意味でも、心に刺さります。

それから、辻村深月さん。「傲慢と善良」という作品の中に“自己評価は低いけど自己愛は強い”というフレーズが出てくるのですが、とても共感しました。自分を守ることにいっぱいいっぱいで、本質的に自分と向き合えていない部分があることを言い当てられているような驚きがありました。私も確かにそういうところがすごくあるんです。

人の前では、自己評価が低いところを出しているし実際にそう思っているのだけれど、どこかで自己愛が育っているんだと思うんです。できるって言ってしまったら、もしできなかったときに「なんだできないじゃん」とがっかりされてしまうんじゃないかって思うから、あえて自分の評価を下げるような表現をしてしまっているのかなって。

作品を通して自分の感情を肯定する

こういった描写が生々しく描かれた作品を読むと、「言い当てられた!」という感覚になります。潜在的なもので気づいていなかった、もしくは見て見ぬふりをしていたことを、「これだ!」と言い当てられたことによって、「ちょっと目瞑ってきたなあ」とか「わかる、たしかにそういうことだったんだ」と新しい発見ができて、すっきりするんです。

それから、「これって正しい感情なんだ」って思わせてくれるところが嬉しいのかもしれません。人に熱く話すことがあまりないから、なんて言葉にしたらいいか分からないようなことが日々過ごす中でもたくさんあるんですけど、そういうときって「これって自分だけが思ってることなのかな?」と不安になることもあって。そんな感情の描写が物語を通して読み取れたら、これって正しい感情なんだってほっとする感覚です。

自分自身をもっと知るために

今は心を整えるために読書をしているだけなのですが、今後は読書日記をつけていきたいなと思っています。この本の“どこが、なぜ刺さったのか”を記録しておくことで、さらに自分自身を知るきっかけになると思うので。

アプリコットデザインには本が好きな人が多いんですけど「こういう理由があってこれが刺さる」ってすぐに言ってもらえると、つい読みたくなるんですよね。そんなふうに人に本を紹介したいけれど、今はあまり言語化できていないから、記録しておきたいなって思っています。

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