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LIFE|2023.12.21

自然と街と人が心地よく繋がる暮らし vol.2

街と山、それぞれの暮らしがほどよく調和した長野県松本市。
そんな松本市での暮らしを、移住者のはちがリアルな目線でお届けいたします。

今回のテーマは信州の冬にかかせない「野沢菜漬け」。

長野へ移住をして5年目。毎年欠かさず続けている冬の手仕事です。

>メディア編集部はちの移住ストーリーはこちらの記事から

本漬けと切り漬け

野沢菜は「切り漬け」と「本漬け」の主に2種類の漬け方があります。

切り漬けはお菜を3㎝ほどに切ってから調味料液に漬けこみ1週間ほどもすれば食べられる漬け方。

浅漬けのようなイメージで簡単に時間をかけずにつくることができ、わたしもはじめて野沢菜を漬けたときはこの切り漬けから試してみました。

対して本漬けは、お菜1本を丸々樽に漬け込みしっかりと乳酸発酵をさせる漬け方。

発酵には時間がかかるため2週間後くらいから味がのってきて美味しくいただくことができ、また発酵させているので日持ちがよく冬の間中食卓へ並びます。

今回は、乳酸発酵させる本漬けの様子をお届けします。

地域によって漬ける時期が異なる


産直では野沢菜が束で売っている。一束5㎏。

野沢菜発祥の地である野沢温泉村では11月の頭から村のあちらこちらで温泉を使いお菜洗いが行われます。

温泉でお菜洗いをすることで茎が少し柔らかくなり樽に詰め込みやすくなるからだそうです。

野沢菜を漬ける時期も地域によって異なり、私が住む松本市は野沢温泉村よりも寒くなる時期が遅いため、気温がしっかりと下がった12月中旬頃に野沢菜を漬けます。

気温が高い時期に漬けてしまうと発酵が進みすぎてしまい酸味が強くなったり、腐敗の原因にも繋がるからです。

発酵は外気温との関係性がとても高いため、自分が住む地域や年ごとの気温を鑑みることが重要。

自然の力を借りるからこそ、おいしくつくるには自然を知ることが大切です。

ベテランの漬物名人に教えてもらったこと

お菜洗いをするときは、根本に深く十字の切り込みをいれます。
切り込みを入れることで開きやすくなり土汚れも洗いやすくなります。

この切り込みの入れ方や洗い方は前年の野沢菜付け体験でベテランのおばあちゃん漬物名人から教えていただきました。

何十年と作り続けてきた漬物名人のもとでは、長年の経験から得られた効率的なやり方やおいしく漬けるコツなど学ぶことができます。

いろんな漬物名人から話を聞き、自分で試すことでオリジナルの味が生み出されていきます。


洗った後は紐で結びなおして立てることで水切りができる

シンプルな材料で奥深い味わいを

温泉でお菜を洗ったら、いよいよ漬けていきます。

今回漬ける総重量は10㎏。大きな樽に目いっぱい並べギュッギュッと押し込んでいきます。

基本的に必要な調味料は、塩・ザラメ(砂糖)の2種類とシンプル。

基本をベースに乾燥させた柿やミカン・リンゴの皮、かつお節、昆布、鷹の爪、焼酎、お酢など、ご家庭それぞれの味をつくるためにその他の材料を追加していきます。正解はありません。

シンプルな味付けでも乳酸発酵したり、寒さでお菜が甘みを蓄えることで複雑で味わい深く漬けあがるのです。

並べ終わったらお菜の重量の倍ほどの重石をのせて圧力をかけ、お菜から水分を出していきます。

お菜が浸るくらいまで水分があがってきたら、ゆっくりと発酵させていきましょう。

重い重石をのせたままにしておくとお菜が堅くなってしまうので重石も軽くしましょうね。

漬物は探求心

じっくりと待つこと数週間後…べっ甲色になり始めた野沢菜漬けができました。ほどよい酸味が食欲をそそります。

長野ではお茶請けとしても野沢菜漬けが食べられているそうです。

長野に移住をしてから様々な漬物作りに挑戦するようになりましたが、おいしく漬けるためには経験の積み重ねと探求心が大事だと感じています。

「去年はこうだったから今年はここを変えてみよう」

そんなふうに毎年漬ける時期や調味料を変えて作りながら、どんな味に仕上がるのかを楽しみにしています。
冬の間に変化する野沢菜漬けの味わいを愉しみつつ、野沢菜以外のお漬物も挑戦したいと思います。

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