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MAGAZINE|2024.4.17

ブランディング事例紹介|ゴーフェア 株式会社

tone villageを運営するアプリコットデザイン(以下:アプリコット)では、ブランディングのご支援をしながらクライアントさまが抱える課題を解決するためのホームページ制作を行っています。

当記事ではブランディングを担当したブランドマネージャーの萩原が、クライアントさまとともに一連のブランディングプロジェクトを振り返っていきます。

今回ご紹介するのは、ゴーフェア株式会社のみなさま。
ゴーフェア株式会社は、空港・観光・レジャー等のインバウンド業界専門の人材派遣、人材紹介サービスを展開し、外国人採用コンサルティングや日本語オンラインレッスンの運営を行っています。

今回は、代表取締役の石山さん(写真右)、営業担当として派遣先企業へのご提案や職場見学の実施、派遣スタッフとの面接を行う大森さん(写真中央)、採用・広報活動を行う知久さん(写真左)にお話を伺っています。

転換期に、コンセプトから一新したくて

萩原:本日はお集まりいただき、ありがとうございます。早速ですが、御社がブランディングをしようと思ったきっかけを教えてください。

石山さん:最初に作ったロゴは、私が会社を作るときに“まずはロゴを作らないと”と思い、若干急いで仕上げたところがあって。クラウドソーシングサービスを利用して、制作を依頼しました。作ってくださった方に会社のことはおおまかには伝えたものの、会社設立の背景まで把握していただいているわけではないので十分に作り込めていなかったなと。

そこからどこかのタイミングでロゴを変えたいなとずっと思っていたので、コロナが落ち着いてきた時期にブランディングをしようと考えました。ロゴに限らず、ホームページも手作りのところからスタートしていたので、変えていかないとと思っていましたね。

萩原:コロナ禍を経て落ち着いてきたタイミングというと、やはり会社としての転換期でしたか?

石山さん:そうですね。業種的にもコロナ禍の影響をかなり受けていたので・・・ブランディングをアプリコットさんにお願いした頃は完全に戻ってきている状況ではなかったんですけど、明るい兆しが見えてきたところで、転換期だったと言えますね。

萩原:一新したいと思っているのは、石山さんだけだったんですか?

知久さん:ロゴについては思っていなかったですけど、ホームページはやっぱり変えたいと思ってましたね。

石山さん:情報量も少ないし、1ページしかなかったですからね。

萩原:ということは、基本的にはウェブサイトも変えたいというのが前提で、ブランドごとリブランディングしたいというのは、問い合わせのずっと前から明確にあったんですね。

石山さん:そうですね。

萩原:旧ロゴには、どういった意味がこもってるんですか?

石山さん:地球です。地球をぐるっと回る感じのデザインです、以上。

(一同笑い)

石山さん:ちなみにこれオレンジなんですよ。オレンジが人を表してて。

萩原:創業当初の想いとか、ビジョンを反映していたんですかね?

石山さん:確かにグローバルな部分は、作り手もとらえてくれていたと思います。クラウドソーシングサービスで募集したところ、応募が60案くらいきたんです。その中でいいものを選んだって感じでした。

萩原:ブランディングを行うにあたって弊社を選んでくださった“決め手”って何だったんでしょうか?

石山さん:知久が候補の会社を2、3社ピックアップしてくれたんですけど、その中で決められなかったんですよ。それで他にもいい会社がないかともう少し調べて、アプリコットさんのホームページにたどり着いて。御社の制作実績を見て、弊社が考えていることとマッチしている気がしたんです。

知久さん:決め手は、実際にお打ち合わせしたときに担当の萩原さんがお話しやすかったことでしたね。ブランディングやサイト制作の進め方についての説明が具体的で、一緒にブランディングを進めていただくイメージが湧きました。

萩原:それは恐縮です!ありがとうございます。

それぞれの意見から、自社の“らしさ”をかたちに

萩原:ではワークショップについてのお話を聞かせてください。進めていく過程で印象に残っていることはありますか?

大森:私は2年前に入社して営業を担当しているので、ワークショップに参加した頃はまだ会社のことを明確には分かっていなかったと思うんです。先輩と一緒に営業に行って“うちの会社はこうでこう強みがあって”って先輩が説明していることを自分でも覚える段階で。その内容をあたかも自分が思っているように喋っていたんですね。

自社の強みを具体的に自分の言葉で表すというよりは、周りのみなさんの声でなんとなく理解をしている程度だったので・・・ワークショップに参加したことで、自社への理解を深めるきっかけになりました!

萩原:この一連のプロジェクトで、大森さん・知久さんのお二人が自分の意見をしっかりと言っていたのが印象的でした。ワークショップを行うと、社長の意見に合わせる方もけっこういらっしゃるんですよ。

石山さん:それぞれ思っているところが違ったりするので、当時はすり合わせしながらという感じでしたね。逆に、僕が思っていることを知久がうまく言い換えてくれたこともあって。でも、当時も今も僕がいるから言えないとか、そういう会社ではないですね。

大森さん:意見を言いやすい環境を作っていただいているところがあると思います。

普段の業務の中では忙しさから意見を交わす機会が減ってしまいがちなので、こういった機会に社内のメンバーのさまざまな考えを知ることができたのもよかったですし、それぞれの意見から派生して新しい意見が生まれたり、何かのヒントになったりするのが面白いなって思うんですよね。だからポンポン意見を言ってしまうんです。意見を言い合うことで、形のないものから形のあるものを作っていく楽しさを感じましたね。

萩原:大森さんは入社したばかりの段階でワークショップに参加してくださっていましたが、そう思えないくらい堂々としてましたね。大森さんの意見からたくさんの議論が生まれていました。

大森さん:突拍子のないことを言ってしまっていたんですけどうまく拾っていただいて。

萩原:知久さんが拾ってくれていましたね。

知久さん:そうですね。リベロみたいなものです。なんでも拾うっていう(笑)。

萩原:知久さんはいかがでしたか?ワークショップ。

知久さん:宿題が多かったのでそういう意味で大変さはあったんですけど、楽しかったです。会社のアピールポイントや理想の姿など、社内メンバーの中でだいたいのイメージは同じでしたが、詰めて話してみるとさまざまな部分でイメージが少しずつ異なっていることに気付いて。その少しの違いを一つひとつ話し合い、「共通の価値観」にできたことにワークショップの価値を感じました

ゴーフェアのみんなにいい会社だなってまずは思ってもらえるような雰囲気にしていきたいって思っていたので、完成したウェブサイトも前向きな雰囲気でよかったなって。

萩原:ご依頼をいただいた当初は集客目的のブランディングだと想定していたのですが、進めていく中で“自分たち自身がまずは自社のブランドを知り、そして会社の内側への浸透や採用の強化へ繋げる”という側面が強くなっていきましたよね。

知久さん:結果としてそうなったという感じですね。萩原さんと詰めていく段階でどんどん見えてきたからこそ。

コンセプトを抽象化して、価値観を表現する

萩原:僕がブランディングに携わらせてもらった中で一番の変化だったと思っているのが、空港に特化しているというこれまでのコンセプトに発展性を持たせたところで。

「空港特化なのはあくまで特徴のひとつだから、それよりも自分たちの価値観をコンセプトに反映していこう」ということで、できたコンセプトコピーが “Find your world”

このコピーには一人ひとりが自分の世界を見つけていく、それがもっと楽しい仕事に繋がっていく。という意味が込められていますが、この変化に抵抗はなかったですか?

知久さん:結果としてよかったなと思っています。私たちは、空港特化といえばそうなんですけど、絞り切ってしまうと空港以外で働きたい人がターゲットから外れてしまうのはちょっと違うかなと思っていたので。ワークショップを通して、もう少し広い視点で考えてたとえば語学力のようなスキルを持っている人たちに興味を持ってもらえたらいいなと気づいて。ワークショップを始めた頃は、スキル軸で見るという感覚がなかったので、視野が広がった感じがしました

大森さん:ワークショップを進めていく中で、弊社を選んで入ってくれた方や海外から来て日本で働いたことのない方が弊社や弊社のご紹介先で経験を積んで、ゆくゆくは新しいステップに挑戦していくような、“ゴーフェアと求職者さんとのその先”が見えてきた気がして。それがFind your worldという言葉で表現されていて、腑に落ちたんですよね。ゴーフェアが最後ってわけではなくて、ここから自分の新しい世界に繋がっていくっていうイメージだったので。

石山さん:コンセプトコピーのFind your worldができる前、弊社のペルソナを考えたときにコンセプトの方向性をこれまでのように空港やインバウンドを押し出して具体で表現していくべきか、それとも抽象化させるべきか、その具体と抽象の塩梅にすごく悩んだ記憶があります。

※ペルソナ・・・商品やサービスを提供する際に、主にどのような顧客に向けたものであるかを示す、具体的な人物像のこと。

萩原:僕も、クリエイティブディレクションをしていく中で、そこの判断に悩みましたね。

石山さん:自社らしさってどんなに会社が成長していっても崩していけないところだと思うんですよ。人材派遣ってすごく線引きが曖昧で、やろうと思えばなんでもできてしまうので。

萩原:「具体と抽象の塩梅」に関しては、ブランディングをやるお客さまは皆さん毎回悩まれるんですよ。でも僕の中で、空港・インバウンドだけじゃなくて“今後幅広く世界で活躍する人の足掛かりとなる場所”という定義の方がよりゴーフェアさんらしいと思い、今の形に落としこんだんです。

リブランディングで実感した効果

萩原:実際リブランディングを行ってロゴを変えてみて、何か変化はありましたか?取引先の方からの反響とか。

知久さん:けっこう言われますね。

石山さん:意外と見られているんだなって。こちらからロゴ変わったんですってお伝えしなくても、「変わりましたね?」とか「おしゃれですね!」とか、お客さんからかなりポジティブな反応がありましたね。

大森さん:会社の思いを反映させてできたロゴが嬉しくて、名刺をいっぱい配っています(笑)。派遣スタッフの方にロゴ変わったんですってお話をするときに、「こういう意味があって」と説明をすると、すごく喜んでくれますよ。

萩原:ありがとうございます。反響があるようで嬉しい限りです!ちなみに、お問い合わせって増えていますか?

石山さん:そうですね。増えていますね。企業からのお問い合わせ自体は確実に増えています。

知久さん:採用周りのお問い合わせや応募も来ていますね。それに、以前とは違うと思うところがあって。たとえば、「事務職を希望しています」みたいな弊社のニーズとずれている応募ではなくて、羽田で働きたいんですけど何かないですか?みたいな、少し具体的な応募が増えた実感がありますね。

萩原:応募の質が変わったんですね。応募に来られる方々って、やっぱり空港で働きたい方が多いんでしょうか?

大森さん:ホームページ経由でとなると、やっぱり空港でということが多いです。

萩原:ではある意味、空港インバウンドの人材サービスっていうポジションはぶれずに浸透したまま、うまくリブランディングできたって感じですかね?

石山さん:そうですね。

萩原:それはよかったです。強みや特徴が伝達されながら、幅も可能性も広げられたプロジェクトだったのかもしれないですね。

“ゴーフェアの想い”を表したホームページ

萩原:今回制作したサイトの中で、ゴーフェアというブランドを一番表せていると思うポイントを皆さんにお聞きしたいです。

知久さん:TOPページを開くと就職活動に対して前向きな気持ちになれる、わくわくできるところがとても気に入っています。 実際、ウェブサイトを見た人から「自分のスキルに自信がなくても連絡してみようかな、と思えるサイトですね」とご感想をいただきました。ゴーフェアとしても、“不安があったり自信が持てなかったりすることではじめの一歩が踏み出せない求職者の方の背中を押したい、一緒に進みたい。”という思いがあるので、その気持ちがウェブサイトを通して伝わっていてとても嬉しく感じています。

石山さん:いくつかあるんですけど、まずはトップページの派遣スタッフ募集への導線の部分。チケットが切れる動きも含めて、気持ちのいい感じがしますよね。それから、手紙のデザインで私たちの想いを表現するっていうのも気に入っています。

大森さん:私も、手紙がゴーフェアっぽいなって思います!

担当者が悩みを聞くとか、話をするとか面談をするとか・・・弊社では、各担当が求職者さん一人ひとりと向き合うことを大切にしていると思うんです。

メンバーそれぞれが“あなたにうちで働いてほしい”という気持ちを持っていると思うので、そうすると一人ひとりに向けてとか、あなたに向けてっていう想いが一番表現できているのは手紙の部分じゃないかなと私は思っています。

萩原:一人ひとりにしっかりヒアリングをして、どんな仕事をしたいですか?とかだけでなくて、もっと一人ひとりのワークスタイルや強みとかをきちんと知った上で、職場を紹介しているのって、ゴーフェアさんならではの文化なのでしょうか?

石山さん:社風ではあるのかなと思いたいところではあるんですけどね。派遣会社って、多くの会社が営業会社のような感じで、派遣先の数や採用率のような数字の部分を追い求めていく会社が多いので・・・そうなると、大事なものをけっこう見失うと思うんです。

弊社は狭い範囲でやっているからこそ、お客さんや派遣スタッフ一人ひとりを大事にしていきたいっていう想いがありますね。やっぱり数字だけじゃないってところが私自身の考えでもあるし、社員もそういう風に動いているのかなって思いますね。

人が働くということ

萩原:皆さんは人や仕事と向き合うお仕事をされているので、皆さんにとっての“働くとは何か”についてお聞きしたいです。

石山さん:弊社のミッションである「夢中になれるしごとを、世界のひとに。」を自分の中でも大切にしていますし、会社のメンバーにも同じように思ってほしいところがあって。

やっぱりワクワクするとか夢中になって仕事をするとかって、収入だけじゃないんですよね。やっぱりミッションの言葉通り、皆さんが夢中になれる仕事を世界に提供することが私にとっての“働く”かなあ。

萩原:僕もブランディングで皆さんの事業をサポートしていく中で、“夢中”ってキーワードを大切にしているので石山さんのお考えにはすごく共感します。仕事をせっかくするなら夢中じゃないと面白くないよなって。夢中の先に豊かな人生があると思うので、とても素敵なミッションだなと。

大森さん:私は“人が働く”ということを、大切にしたいと思っています。今って機械でできる仕事がけっこう増えてきていて、空港でも荷物を預けたりするのは、機械で全然できるんですよね。でも、わたしたちの仕事もそうですし、空港の中に残っている仕事って“人だから良い”って思うところもあって。

たとえば「免税店」だったら、商品を選んでボタンを押したら上から落ちてきて、袋に入ったものを自動精算機で支払いするっていうのではなくて、今から旅行にいく人、帰国する人がそこに立ち寄って、そこで人と関わるとか、人が働くからこそいいって思えるものだと思うんです。だからこそ人が働く意味があるというか。

大森さん:だから私たちも、派遣スタッフさんとのやりとりを事務的にするのではなく、人が関わるからこそできる部分を大切にしています。たとえば契約の更新のとき、契約の更新を希望しない方に対して手続き自体は機械を通せば終わるんですけど、なぜ契約を終了しようと思ったのかってヒアリングするのも私たちの仕事の一つになっていて。そういった仕事って機械にはできなくて、人が関わるからこそできる仕事なのかな~って思います。

知久さん:私個人の考えですけど、感謝の気持ちを循環させることに近いのかなって思います。たとえば夜コンビニにいったときに、ありがたいなって思うんですよね。以前働いていた会社では、残業を22時半までしていて。そうするとその時間にいつも道路の工事をしている人だとかがいて、すごいなって思うんです。自分が得意なことやできる範囲のことで誰かが何かのために仕事をしているからこそ、その恩恵を私たちは受けているから、その分私も何かで返したいなという感じです。私はそんな感覚で働いています。

石山さん:人それぞれの強みや個性、特性で、各々が各々の場所で活躍していて、価値を提供しあって、社会が循環しているということですよね。

知久さん:そうです。ありがたいなって思って生活しています。

一番そばで寄り添って、夢中になれる仕事を提供できる存在に

萩原:では最後に・・・これから応募される方やステークホルダーの皆さんにとって「ゴーフェア」はどういう存在であり続けたいですか?

石山さん:ゴーフェアの関係者っていうのは、お客さん、派遣先、派遣で働くスタッフさん、社員、あと取引先もあるんですけど、その中でブランドを享受するのは派遣のスタッフさんだと思うんです。

ゴーフェアの所属スタッフさんは、すごく経験があるっていう人たちよりはチャレンジしたいという層が多いんです。そういう人たちに対して弊社では、自分が未来を思い描ける仕事や、自分のスキルやアイディアを活かせるような仕事を提供していきたいなと。やっぱり“夢中になれる仕事を”って掲げているので。

うちで働くことによって、社員がその人達の背中を押して、一つ上のステージへ上がりたいという想いを叶えるようなサービスを提供する。そういったブランド、会社でありたいと思っています。

知久さん:ゴーフェアは、働くことを通して求職者の人生が豊かになるサポートがしたいと考えています。多様な社会へと変化していく日本で、誰もが自分自身の得意なことを活かして輝ける、助け合える。そのお手伝いをする存在でありたいです。

大森さん:一番そばで寄り添う場所というか。派遣スタッフさんに困りごとがあるときや、そのスタッフの周囲の方がお仕事を探しているときに“ゴーフェアさんなら安心だよ”と最初に思い浮かべていただける存在でありたいです。

それって派遣スタッフさんだけでなく、取引先や派遣先の会社さんに対しても同じだと思っていて。何か困ったことがあったり必要なものがあったりするときにゴーフェアにご連絡をいただくのは、それぞれの担当が会社さんと丁寧にコミュニケーションをとったり、信頼関係を築いたりした結果でもあるのかなと。

ゴーフェアの社員はお客さまの一番そばで寄り添ってくれる人たちだから、って思い浮かべてもらえる。そんな会社でありたいですし、私もその一員でありたいです。

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