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お茶と和菓子と文化を楽しむ「テーブル茶道」

TONE COLLEGE|2024.10.30

ワークショップ体験レポート|
お茶と和菓子と文化を楽しむ「テーブル茶道」

趣味の時間を充実させたり、非日常を味わったり、ちょっとした学びを得たり、新たな自分に出会ったり・・・
tone collegeでは、日常に彩を添えるような講座やワークショップを開催しています。

どのような雰囲気でどんなことが行われているのか?
実際に体験した様子を交えながら紹介していきたいと思います。

カジュアルに楽しむ日本の文化

今回ご紹介するのは、気軽に日本の伝統文化に触れられると人気の高い
テーブル茶道体験〜季節の和菓子付き〜」。

講師は長野市で裏千家茶道教室をされている高野先生です。
(高野先生のご紹介記事はこちら

本講座は「畳で正座」ではなく「テーブルで椅子に座って」茶道を楽しむことができるワークショップです。
よりカジュアルに、けれどきちんと茶道を楽しむことができるよう工夫された「盆略手前」という形式で、お茶会の一連の流れを体験していきます。

お盆の上には、
棗(なつめ):お茶を入れる器
茶碗(ちゃわん):お茶を点てて飲むための器
茶杓子(ちゃじゃくし):棗から茶碗へお茶を移すためのおさじ
茶筅(ちゃせん):お茶をかき回して点てるための道具
茶巾(ちゃきん):最後に茶碗をふくための布巾

これらがセットされています。

加えて、袱紗(ふくさ)、扇子(せんす)、懐紙(かいし)、お湯の入ったポット、そして先生手作りの和菓子が添えられて準備完了です。

盆略手前は以下のような流れで行われます。
・ご挨拶をする
・お道具を清める
・お茶とお菓子(そして会話)を楽しむ
・使った茶筅や茶碗などを清める
・ご挨拶をしてお仕舞

ワークショップもこの流れに沿って行われ、お道具や所作の一つひとつ丁寧に解説いただきながら、難しいところは何度も手を動かしながら、ゆっくりと進んでいきます。

今回は茶道初体験の私を含めて3名が参加。
何度か茶道体験はあるけれどしばらくぶりの体験になるという方、日本文化に興味があって茶道も是非体験してみたかったというオーストラリアご出身の方と、楽しい雰囲気の中行われました。

一つひとつに込められた意味を知りながら

準備が整ったら、ご挨拶から始めます。

畳んだままの扇子を手前において、先生と参加者の方に向けて「よろしくお願いします」。
閉じられた扇子は自身とお相手との間の境界となり、一種の神聖な結界を設けることになるのだとか。一緒にお茶会を楽しむお相手の方への敬意と礼儀を表します。

そして、四角く折り畳んであった帛紗を手に取り捌いて(さばいて)いきます。棗や茶杓子などを拭き清めるため、決められた畳み方をする手順です。
指や手のひらを使って上へ下へと返しながら畳んでいくのですが、手がこんがらがって参加者みんな大苦戦。
なんとか形にしてお道具を清めたら、一旦お盆の左下(お盆を時計の盤面に見立てて「7時の方向」と示されます)に置いておきます。

お清めが済んだら、いよいよお茶の時間です。

まずはお茶菓子をいただきます。毎回先生が手作りのものを用意してくださるのですが、今回は「ずんだあんの水饅頭」「もみじの琥珀糖(こはくとう)と雲平(うんぺい)」です。

日本の茶道では、最初にお茶菓子を一ついただいて口の中を甘くして、苦いお茶を味わう準備をするそうです。
食べ方にもお作法があるのか気になって硬くなっていた私たち参加者ですが「どうぞ自由に召し上がって。美味しくいただくことがいちばんですよ。」と先生からのお声かけがあり、会話を交わしながら美味しくいただきました。

そしてお茶を点てる手順に入ります。
茶杓子を手に取り、棗を持ち上げてフタを取り、お茶の粉を掬って茶碗の中へ。
文章だとこれだけですが、実際には細やかな所作や気をつけるポイントがあり、なかなか一筋縄ではいきません。手を添える位置や、持ち方、置く場所など、一つひとつ先生に教わりながら進めていきます。

茶碗の中にお茶の粉を入れたら、ポットからお湯を注ぎ、茶筅で素早くかき回して泡立てていきます。表面が薄緑色の細やかな泡で覆われると、クリーミーでお茶の甘味が引き立つのだとか。
シャカシャカと手を動かすものの、なかなか泡が出てきません。苦戦していると先生が助けてくださり、あっという間にお茶の色や質感が変わっていきました。

綺麗に泡の浮かんだお抹茶を、早速いただきます。手を置く位置、持ち方、器の扱い方を教わりながら、一口。

まろやかな口当たりで、お茶の深い苦味も感じるのですが、それよりも香りや甘味が引き立っていて、とても美味しい。
茶葉から入れるのとは全く異なる、抹茶粉から点てたからこその特別な味わいです。

お菓子と同じく、お茶のいただき方も自由。ゆっくり、ひと息に、少しずつ。ただ、最後にはズズッと音が出るといいですね、と先生。
「美味しく最後までいただきました」という合図になるのだそうです。

茶道でのお茶会は、一杯だけではなく、好きなだけ・満足するまで何杯でも楽しみながらいただくもの。
今回も三杯ほど、お茶菓子と共にお茶をいただきました。二杯目、三杯目と進めるごとに、少しずつ所作が身について、茶筅の扱いにも慣れて、一杯目よりもリラックスして美味しく点てることができてきたように思います。

美味しいお茶を楽しんだら、お道具を清めて、ご挨拶をしておしまいです。

日常にもっとお茶の時間を

茶道というと、静粛な雰囲気があり礼儀作法にとても厳しそう・・・というイメージが少なからずあるかと思いますが、本講座はまるで異なります。先生のお人柄もあり、明るく和やかな雰囲気の中で所作や作法、茶道にまつわる日本文化の豆知識などを学ぶことができます。

先生のお話を伺っていると、定められたお作法や所作にはすべて意味があり、お相手への礼を尽くしたりお茶会を楽しむための、一つの手段なのだと自然と受け入れられました。

カジュアルな雰囲気のテーブルでの盆略手前でしたが、茶道のおもてなしの心を学びながらゆっくりとお茶と向き合うことを、日常から少し離れて楽しむことができとても楽しい時間となりました。

今回参加された方も「ずっと茶道に興味があったけれど、近所の教室はなんとなく敷居が高くて行けなくて・・・このワークショップを見つけて、ここなら楽しく学べそうだと思って参加してみたけれど、本当に楽しくて良い時間が過ごせた」とおっしゃっていました。

お教室となると少し敷居が高く感じられますが、ワークショップという形式なら1回から気軽に体験できるのも魅力の一つです。これまで参加された方の中には、何回かtone collegeに通ってくださった後で高野先生の茶道教室に入った方もいらっしゃいます。

日本の文化に触れてみたい、美味しいお茶やお菓子で癒されたい、いつもと違う体験をしてみたい・・・そんな方にお勧めの「テーブル茶道体験」です。
毎月異なるお菓子をご用意いただき開催していますので、ご興味がありましたらぜひご参加されてみてください。

また、ワークショップでは先生が毎月季節の野花を活けてくださいます。
今回は「秋明菊」。
キク科ではないけれど、最初に見つけた人が菊だと勘違いしたから名前に「菊」が入っているのだとか。また、もともとは秋「冥」菊と書いていたけれど、時代の流れとともに秋「明」菊と変わっていったそう。
そんな豆知識を得られるのも高野先生の講座ならではの楽しみです。

***

今回ご紹介した内容は、10月18日に行われたテーブル茶道のワークショップに基づきます。

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